2012年11月07日 縄文時代から現代まで〜〜〜「むし歯の歴史」〜〜〜を読んでの感想。【後編】

皆様こんにちは。

 

 

今回も、前回にひきつづき
福井県立図書館でみつけた
「むし歯の歴史」を読んでの感想です。

 

福井でインプラント

 

前回は、縄文時代・弥生時代でした。
その時代における生活習慣や、使っていた道具、調理方なども
「むし歯」に密接に関係していた事が分かりましたよね。

 

 

★よろしければ、前回のブログをご覧ください。
http://www.dental-t.jp/article/14589877.html

 

--------------------------------------------
ちなみに本の目次です↓

 

 まえがき
第一章 むし歯の穴から世界を覗けば
第二章 古代中国人とむし歯
第三章 縄文人とむし歯
第四章 弥生人とむし歯
第五章 江戸時代人とむし歯
第六章 近代型むし歯と砂糖
第七章 むし歯の現在と未来
むし歯の歴史関連略年表
あとがき
--------------------------------------------

 

 

 

それでは今回は、江戸時代から現代についてです。
「歯みがき」が、どのようにして一般庶民へ普及していったのかが
感じられますよ。

 

 

 

●第五章 江戸時代人とむし歯より

 

 

 

現代日本の伝統的な文化というのは、
主に江戸時代に形を整えたといわれています。
おそばや、寿司、天ぷらといった現代日本人が好む和食の代表格も
この時代に多く食されるようになりました。

 

また、年中行事や、人の誕生、結婚、出産、死にまつわる文化も、
そのほとんどが江戸時代に成立、成熟したそうです。

 

庶民の文化が花開いたこの時代に、
庶民の「むし歯」とのかかわりはどのようなものだったのでしょうか。

 

なんと「歯みがき」は江戸っ子の、とりわけ粋人と呼ばれる人々の常識だったそうです。
さらに「入れ歯」を作る職人がいたことも、文献や絵画からうかがいしれます。

 

江戸時代には、歯科医療の基本がすでにできつつあったようですね。
しかしながら、文化の多様化にも関係するのか、
当時の骨からみられる虫歯の数は、地域によってかなりばらつきがあるようです。

 

年齢的には、加齢とともに虫歯率が増え、
虫歯になる場所も現代人とよくにているとの事。

 

さらに、やわらかいものを食べるようになってきているので、
あごの骨も小さくなってきて、従来とおりの大きな歯が生える事で
歯並びがガタガタになっているというケースもみられるそうです。

 

これも現代人の悩みと同じですね。

 

前回書いたように、古来の人間は歯を便利な硬い道具として使っていて、
その頃のあごはもっと大きく強靭だったので、道具としての役割が減ると
ともに、顎は小さくなっていったんですよね。

 

江戸時代にもなれば、
いわゆる親知らずも、顎が縮小化した事で、
正常に生えにくくなっていたとの事です。

 

さらにさらに、徳川家などの貴族の歯を調べると、
なおの事、現代人に酷似しているらしく、
軟食はもちろんのこと、砂糖も頻繁に食されていたことが分かっています。

 

 

次は、江戸時代に普及したとみられる歯磨きについて調べてみよう。

 

 

そもそも、わが国に歯磨きという知恵が伝わったのは、
仏教伝来にかかわりがあると、この本では伝えています。

 

仏教経典には教義のほかに、
歴史、医学、天文学、数学などの
科学に関することがすべて記載されているそうです。

 

それは爪を切ることから、大小便の後洗浄のしかたなどとともに、
歯磨きの方法など、個人の日常生活の行為にまで及んでいるとの事。
生活のリズムを整えるための知恵が記されているように思えますね。

 

紀元前の昔に、歯磨きが早くも衛生学の観点をもって記載されている事にも驚きですが、
歯磨きという行為の奥深さを改めて感じさせてくれます。

 

なんだか、古来から歯磨きをきっちりできるようになる事が
全ての暮らしを豊かにする教訓であったかのようです。

 

しかしながら、一般庶民に「歯磨き」が普及したのはなんといっても江戸時代!

 

まず「歯ブラシ」には房楊枝(ふさようじ)というものが使われていました。
片方の端は房状の毛束になっており、
もう一方は歯の隙間そうじ用に細く削ってありました。

 

 

ずばり、歯ブラシと楊枝が
組み合わさった形状でした。

 

福井でインプラント

 

材質についても、男女で違いがあり、女性はお歯黒が落ちないように、
柔らかい素材でできていたそうです。

 

 

歯ブラシとくれば、次は歯磨き剤でありますが、
こちらは、古くは塩、さらには様々な香りのついた陶土を使用するなど、
バラエティーに富んでいたようです。

 

 

これらは、雑貨屋、風呂屋、寺社の露天などで売られていました。
また、リアカーのような売り歩きも江戸市内だけで数百人もいたとされ、
毎朝「おはよう、おはよう」といいながら売り歩かれていたそうです。

 

さすが江戸時代。なんとも賑やかしいですね。

 

売り方も様々で、
駒回しと巧みな口上で人気を集めた人、
太刀の居あい抜きを見せながら売った人
などが有名人として存在していたようです。

 

注目してもらうためのショー的技術と、歯磨き粉の販売が直結するなんて
当時、いかに付加価値を大切にしていたかを物語っています。

 

当時の浮世絵にも、歯磨きをする女性の美人画として何枚も残っているそうです。
歯磨きが当時の「粋」であり、むしろ磨きすぎという古人骨も多数みつかっているようです。

 

 

 

 

 

●第六章 近代型むし歯と砂糖より

 

 

 

 

そもそも砂糖とはどのように広がったのか?

 

その広がり方は、歯科医療の発達とリンクしている事は容易に想像できます。
古い文献を調べてみると砂糖の広がりは、古くイスラム世界に始まり、
十字軍や、修道院会、ベニスの商人、ユダヤ商人の
販売網などを通じてヨーロッパに確実に広まっていきました。

 

 

砂糖の生産には、森林破壊や、奴隷の増加など、様々な側面もあり、
とても一言では語りきれません。詳しくはこの本を読んでみてください!

 

甘味好きな、学生さんなら、
砂糖の歴史を調べてみることで、
世界史を大きく、
戦略的な視点も含めて
勉強する事ができそうですよ。

 

歴史の勉強は興味のあるものを通じて見れば、おのずと頭に入ってくるものかもしれません。
砂糖の普及とともに、カカオやコーヒー、紅茶、タバコなどが広がっていくのは
容易に想像できますし、まさにそのとおりなんです。

 

砂糖ありきでいろんな、楽しみが広まっていったのですね。
いわば、砂糖なしではいられない状況が世界中に広まっていったのです。
そして、一度広まった砂糖文化の喜びがなくなる事がないことは
私たち一人一人が一番よくわかりますよね。。。汗

 

人間はおいしいものには弱い。
そして更においしいものを作る事には、
生涯をかけるほどの情熱を注ぐというものですもんね。

 

 

さてさて、日本にはどのように砂糖が伝わってきたのでしょうか?
砂糖利用がひとつの普及期を迎えたのは1550年代以降の「南蛮貿易」の時代であり、
一般人に普及したのは、歯磨きの普及と同じ、江戸時代なのです。

 

しかも既にヨーロッパでハイカラになった状態の砂糖文化に出会う事となったのです。

 

ここから更に日本人の非凡なセンスは、菓子作りにも活かされ、
バターや、膨張剤などを使わない、カステラなどは、
海外の菓子職人からみても、とても繊細な技術であったといえます。

 

こうした菓子文化の成熟にともなって、砂糖入り金時や飴細工、汁粉・善哉などの
行商人が江戸の町を往来し、それによって「歯みがき」文化も進化していったという流れです。

 

庶民たちが自分たちの文化を築き、広めていける時代だったのですね。

 

 

●第七章 むし歯の現在と未来 より

 

 

 

 

第六章での、砂糖の広がりに見られるように、
現代人のむし歯は「砂糖タイプ」の虫歯が多いと思われています。
しかし、長い虫歯の歴史の中では、砂糖によるむし歯は
ここ数百年のことであり、、まだ始まったばかりといえます。
古来からのでんぷんタイプのむし歯と混在しているというのが
正しい認識といえますよね。

 

そして、

 

これまでのむし歯の歴史をしっかり振り返る事で、
むし歯の未来についても想いをはせる事ができます。

 

 

今後、むし歯の要因にどのような事が予測できるかという事です。

 

 

ひとつには「砂糖の普及」に見られる、まったく新しい食品の普及によるものが予測されます。
「砂糖」の登場は、長い目で見れば、もうないだろうと思ってた「新しい食文化」が実際に現れたという事です。

 

 

 

明日にも砂糖を超える、広く人々に好まれて、
歯によろしくないもの(もしくは歯に良いものかもしれない)が、
みんなの目の前に登場するかもしれません。

 

 

しかも、それらは農業の発達、流通の発達、広告の発達、調理法の多角化により、
あっという間に広がりそうです。

 

また、人口爆発により食料不足となり、
需要と供給のバランスが栄養面でも、医療面でも崩れてしまう事で
「むし歯」が増減する可能性も感じます。

 

更に飛躍すると、「宇宙ステーション」で暮らす人々が増え、
重力の変化によるむし歯への影響も考えられます。

 

さあ、皆さんは「歯の歴史」を通じてどのような未来を予想しましたか?

 

わたしたち歯科医師は、口の中の健康の改善・維持を促し、
より安定的な暮しを皆様に提供できるよう精進していかねばなりません。
これからは、お口の中だけでなく、体全体との連携も重視されていく事でしょう。

 

日々の努力の小さな積み重ねの先に、
新しい歯の歴史の一ページになるようなヒントが
かくされているものなのでしょうね。

 

 

しかしながら
「温故知新」とはよくいったものですね。
ではでは。

 

関連ページ

2012年12月19日 「おおきなけじめ」をつける前に、「ちいなさけじめ」の歯磨きを!?
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。「おおきなけじめ」をつけるはめにならないように、日々「ちいさなけじめ」としてのお口のケアを 見直してみてはいかがでしょうか?
2012年12月13日 2012年の高橋歯科医院 ★プチ総括★
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。「痛いから治す」という思考 から予防という思考へ、現代人の歯の意識が変わりつつあるのではないでしょうか。こういった全体的な意識の改善を感じると、この時代の歯科医師になった醍醐味みたいなものを感じてしまいます。
2012年11月21日 ホワイトニングを始めるタイミング。 for 【年末〜2013】
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。前回1月に掲載した「ホワイトニングを始めるタイミング」でしたが、成人式ぎりぎりの掲載でしたので、今回は自責の念を込めまして、早めの紹介とさせていただきます!
2012年10月23日 縄文時代から現代まで〜〜〜「むし歯の歴史」〜〜〜を読んでの感想。【前編】
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。読書の秋ということで福井県立図書館に訪れてみると、「むし歯」について興味深い本をみつけたので紹介します!その名も「むし歯の歴史」。
2012年10月05日 季節の変わり目、まずは睡眠を!
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。しっかり睡眠をとって歯みがきをしていても、まだ「歯が浮いている」感じのあなた!!!おどすつもりはないですが、深刻な歯周病であったり、更には糖尿病であったりする可能性が高そうです。
2012年09月20日 「テーマパーク8020ハチマルニマル」へ行こう!
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。「8020(ハチマルニイマル)運動」とは、1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
2012年09月14日 ズバリ!インプラントをはじめるきっかけ
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。今回は、「インプラントをはじめるきっかけについて」いくつか例をあげたいと思います。一番多いのは入れ歯のわずらわしさから。
2012年08月23日 常にアップデートされる、当医院のインプラント治療システム。
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。さてさて、本日は当医のインプラント治療に、もはやかかせない!インプラント術前シミュレーションソフト「SimPlant(シムプラント)」の紹介です。
2012年08月13日 海外で歯科診療を受けるなら、海外療養費給付制度を知っておこう!
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。今回は、特に観客席の方が気になりまして、、、海外旅行に行った時にむし歯が痛くなったり、現地で治療しなくてはいけなくなったらどうしたらよいか?といった事に着目してみようとと思いました。
2012年07月20日 ようこそ高橋歯科医院へ! 福井駅からの道のりと周辺紹介 (後編)
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。前回にひきつづき、高橋歯科医院周辺を紹介します。※前回ページはこちら。http://www.dental-t.jp/article/14469968.html
2012年07月20日 ようこそ高橋歯科医院へ! 福井駅からの道のりと周辺紹介 (前編)
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。今回は、二回にわたって福井駅から当医院への道のりと、医院周辺の紹介をしたいと思います。前編では福井駅(西口)からの道のりです!
2012年06月22日 「体に優しく、美しい。」進化を続ける審美治療アイテム
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。今回はこの歯の美しさをお助けする「審美歯科」にて使用される、歯の美しさをお助けするアイテムを具体的にお伝えしたいと思います。ポイントはセラミックを使用した「ノンメタル治療」!
2012年06月18日 サッカーワールドカップ予選スタート!応援するなら審美歯科にいってから!?
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。選手の歯。そして、時折アップになって映し出される、サポーターの面々の口元などなど。お国がらによって、歯に対する考え方はそれぞれですのでどうしても、そういった観点から見てしまうわけです。
2012年05月21日 口臭と歯周病の密接な関係。
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。口臭(他臭症)の原因のNo1は歯周病・歯槽膿漏という事実をご存知でしょうか?「糖尿病」などの病気が原因で起きる場合もありますが、歯周病・歯槽膿漏が原因な場合が多いようです。
2012年05月09日 「歯をできるだけ残したい」
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。誰もが、その生涯を終えるまで、「できるだけ自分の歯を残したい」とお考えでしょう。しかしながら、「歯をできるだけ残したい」という願望は、いつ強く感じるのかな??なんて考えていました。
2012年04月20日 「親知らず」あれこれ。
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。今回は親知らずについてのお話です。親知らずは別名「第3大臼歯(きゅうし)」といい、高校生ぐらいから20歳前後に出てくる最後の歯です。人によっては生えてこない場合もある歯です。
2012年04月06日 歯科医院の手術室について
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。本日は歯科医院の手術室はどんな時に使うのか?また、その有用性をお話したいと思います。
2012年03月16日 ホワイトニングのスケジューリング。
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。「ホワイトニングしよう!」と決めた後、実際にホワイトニングをした時の日程をリアルに感じて頂ければと、仮にAさんという女性を例に、お話したいと思います。
2012年03月06日 むし歯菌以外に、「酸」を意識したことありますか?
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。「糖質」とは別に、歯にダメージをあたえる「酸」の存在を意識したことはありますか?「酸」とは主に、ビタミンCやクエン酸などで、強酸性の成分が入っている飲食物によって摂取することになります。
2012年02月16日 歯科医師になるには。
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。歯科医師になるには、まず「歯科医師免許」をとらなくてはなりません。まず、全国に29校ある大学の歯学部を卒業して頂く事が必要です。医学部と同じ6年間の過程です。そして、歯科医師国家試験に合格すれば、患者様の歯などを治療できる「歯医者」さんになります。
2012年01月31日 インプラントの意外な喜び。
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。本日は「インプラントの意外な喜び」という事でお伝えしたいと思います。インプラントというと、入れ歯や、さし歯、ブリッジなどの不自由さから開放されたいといった想いで移行される方も多いと思われます。
2012年01月10日 ホワイトニングを始めるタイミング。
福井駅前で35年のインプラント実績、高橋歯科医院のブログ。この激動の世の中で、自分の容姿に気を配れる余裕は、自分の能力を後押しするための最大のポイントになります。ホワイトニングで歯を白くしたり、歯並びを整えたりする事は、ダイヤの指輪や、一流の時計を買う事以上に価値のある事です。

トップ インプラント 審美 アクセス