2012年10月23日 縄文時代から現代まで〜〜〜「むし歯の歴史」〜〜〜を読んでの感想。【前編】

皆様こんにちは。

 

 

読書の秋ということで
福井県立図書館に訪れてみると、
「むし歯」について興味深い本をみつけたので紹介します!

 

その名も
「むし歯の歴史」

 

福井でインプラント

 

まずは概略。。。

 

 

むし歯とは何か。
なぜむし歯になるのか。
どんなむし歯があるのか。
どんな時にむし歯になるのか。

 

そんなむし歯の基本的な疑問に答え、むし歯の性質を明らかにした後、
その知識を元に、古代中国・縄文時代・弥生時代・江戸時代などの人骨の調査から、
当時の人々のむし歯の様子を紹介し、むし歯から伺える当事の人々の生活状況を紹介する。
といった塩梅の本です。

 

 

 

編著者の竹原直道さんは歯学博士で九州歯科大学予防歯科学教授。
他に以下4人の著者が協力されていてすごく視野の広い内容となっております。

 

 

出てくる単語は若干、専門的ではありますが、
あくまでも一般の方々に向けて
いわゆる語りかける親しげな雰囲気の一冊です。

 

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ちなみに

 

【目次紹介】
 まえがき
第一章 むし歯の穴から世界を覗けば
第二章 古代中国人とむし歯
第三章 縄文人とむし歯
第四章 弥生人とむし歯
第五章 江戸時代人とむし歯
第六章 近代型むし歯と砂糖
第七章 むし歯の現在と未来
むし歯の歴史関連略年表
あとがき
--------------------------------------------
第一章を除けば各章は独立しているので、気になった所だけを拾い読みできます!

 

 

では、「目からウロコ」といった印象に残った部分を
かいつまんでお伝えします!
今回は弥生時代までです。

 

 

●まえがきより

 

 

「歯科が医科から離れて独立している理由は、なんといってもこのむし歯の所為であるといえる。」
「一つの病気のために、大学が作られたり、学部が作られたりするのはほかに例がない。」
といった書き出しに、おもわず心をわしずかみにされました。

 

この本は、単に「むし歯」を説明するのではなく、大きな視点を持ち
「むし歯」を通じて人類学や歴史学、更には経済学にまで及んで
「人」を語る本なんだなという事がだんだん分かってきます。

 

 

●第一章 むし歯の穴から世界を覗けば より

 

 

まずは、約12万五千年前の人類にも虫歯が見られる事から始まります。
「むし歯」は人類が栄え飽食になる時ほど、多く発生する文明病のレッテルが貼られています。

 

狩猟・採集→農耕・栽培植物→じゃがいもの普及といった、多糖類であるでんぷんの採取方法の進化と
それに伴った調理方法の進化によっても様々な影響があった事が伺えます。
ちなみに農耕上手な弥生人は現代人に匹敵するほどの虫歯の多さだったそうです。そして人口も急増した時代でした。

 

 

やがては砂糖が新たに加わり、
近代型の虫歯は、加熱調理ででんぷんを酸産生の気質とするタイプ、
砂糖を基質とする二つのタイプのむし歯が混在する事が分かってきます。

 

土器がフライパンになっていったり、
火が電子レンジになっていったりと、いった事でも私達の「むし歯」の背景が
時代ごとに代わっていってることがよ〜く分かりますよね。

 

糖質ゼロなんてものまである現代は、後にどんな時代だったと語られるのか?と考えると
あまりよい時代ではないような気もします。

 

私が思うには、「コマーシャリズムに振り回されすぎていた時代」となる気がしますね〜。汗
毎日みかけるCMや、雑誌広告、どでかい看板に、ド派手なのぼり旗など誘惑でいっぱいの現代社会。
虫歯を抑制されている方は、相当にエライのかもしれませんよ。
おっと、私にも新しい視点が芽生えてきたかな?っと・・・。さてさて、つぎは??

 

 

●第三章 縄文人とむし歯 より

 

 

まず、研究対象となる縄文人の骨は、
主に貝塚内でカルシウムにまもられた骨を調査する場合がほとんどだそうです。

 

火山列島のわが国は酸性の土壌で、貝塚のない内陸部の骨はなかなかみつからないようです。
縄文時代の人骨の研究はなかなか大変という事をまず知っておかなくてはいけないわけですね。

 

寿命もよくて30歳程度という事で、かなり過酷な環境であった事が想像されます。
さて、縄文人の歯にみられる印象的な特徴として、縄文人は歯が水晶並みに硬い事を知っていて、

 

歯を道具として使っていた形跡が多くみられるという事です。

 

それにより、歯の交合面はなめらかになっているものもあり、
一度できた虫歯すらなくなってしまう場合もあったようですよ。

 

更には、神経までむき出しになってしまうぐらい歯を使っていた例も見られるようで
かなりの激痛が予想されるのですが、
それでも生きていくという縄文人のど根性は、半端なものではなかったと思われますね。

 

あと、一部の縄文人は、成人した通過儀礼として、
下あごの前歯を抜歯するといった風習もあったと予測され、
それにより、大人か子供かといった明確な判断基準にしていた事もあるようです。

 

虫歯でもない歯を、目印のために抜いてしまうなんて、今では考えられないですね。
一族のオキテは絶対だったのでしょうね〜。
分かりやすい規律を作る事で争いを防いでいたのでしょう。

 

 

 

●第四章 弥生人とむし歯 より

 

 

 

この時代にも、研究対象となる弥生人の骨は、
全国各地でみつかるというわけにはいかないようです。

 

弥生時代は貝塚に埋葬することがなく、
丘陵に穴を掘って埋める事が多く、やはり日本特有の酸性よりの土壌に分解されてしまうのですが、
西日本に限っては砂丘に埋める場合があり、土に直接ふれていなければ人骨は残るそうです。
また北部九州の平野部では、棺に入ってるものもあるらしくこれまた骨が残っているそうです。

 

その時代の埋葬の仕方によって、その時代の調査対象がかたよるなんて、
ナルホド!&ミステリアス!ですね。

 

更に、弥生人の多様性について。。。
一言で西日本の弥生人とはかたづけられないところが弥生人のもう一つの側面といえます。

 

簡単にいうと、
西北九州タイプの弥生人は、縄文人の特徴を継承している。
北部九州・山口タイプの弥生人は、先進的な技術をもった大陸からの渡米人である可能性が高い。
といった感じで、エリアによって別人種であったともいえそうです。

 

ではでは、弥生人の虫歯状況を見てみましょう!
この多様性のある弥生人の虫歯の特徴は、男女の虫歯率の差にみられるようです。

 

 

食物の大部分が、魚介類と堅果類だった弥生人は、
男性より女性の方がかなりの差で虫歯が多く、

 

植物の大部分が、農作物だった弥生人は、
男女差はあまりみられない。

 

これは、

 

前者では狩猟や、漁を男が担当し、女性は地元に残るという事で食習慣や、
生活エリアが違っていたことが考えられます。

 

後者では農作物は男女共に参加するので、食環境も変わらず、行動範囲も同じなので、虫歯に差が出ないと考えられます。

 

 

ちなみに、植物の大部分が、農作物だった弥生人の方が虫歯率も高いのです。
でんぷんを効率的に摂取できるようになってる事が伺えますね。

 

弥生人の場合は、人骨の形態的な多様性もさる事ながら、
それ以上に、各自の生活様式によって、虫歯の状況が変わっていたようです。

 

逆にいうと、その場所の男女の虫歯の比率を調べれば、
生活形態にもひとつの予測がたてられるといった感じですよね。

 

ちなみに、現代の男女の虫歯率も女性が若干高いようです。
正確にいうと、小学生までは、男性の方が多く、
中学生以降は女性の方が多いのです。
これは、女性の方が成長が早い事やホルモンの関係などといわれる事が多いです。

 

また、女性の方が甘いものが好きだからだ!といった憶測もありますが、
今のところなかなか詳しいデータはなさそうです。
まだまだ研究が足りない分野といえそうですネ。

 

 

さてさて、いかがでしたか?
「むし歯の歴史」〜〜〜を読んでの感想。【前編】

 

 

十年ほど前の本である事から、現時点ではもっと解明されたり
もっと多くのエリアで骨がみつかっているかもしれませんが、
時代時代における生活習慣が、虫歯から伺えるって事が
よ〜く感じとれたと思います。

 

 

それでは次回、後編もおたのしみに!

 

 

次回は江戸時代と現代についてです。
江戸時代には、居合を見せながら歯磨き粉を売る人がいたぐらい、
歯みがき習慣が広がったんですって〜!
徳川将軍家の虫歯状態も分析されていたようですよ。

 

「むし歯」を通じて、違う視点で歴史をひも解くと、
歴史の苦手な私でもス〜っと頭に入ってくるのが不思議です!

 

ではでは。

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